ふくらはぎの満足度 2005.10.10

もともと筋肉ばかりで脂肪細胞の少ないふくらはぎは、自分の目線で見て最も変化のわかりにくい部位のひとつです。むくみでたまった水分も滞留しやすいですし、常に上から見下ろすので、余計に短く太く見えます。

他人のふくらはぎは真上から見ませんから、すらっと細く見えますし、体を見せることを職業としているモデルさんはもっともっと細いです。比較対照がこれでは、必要以上に「私のふくらはぎは太い」と悩む方がいてもちっともおかしくないと私は思います。

事実、「ほら、こんなに太いでしょ!」と見せられたふくらはぎに、
「本当だ! 太い太い!」とびっくりするほどの見事なモノを見たことがありません。
ご本人の申告が”桜島大根”でも、私から見ると”青首大根”くらいなのです。
不思議に思うのですが、私から見て人並みでも、本人からすれば巨大なコンプレックスの塊。
それで自己評価が低めになってしまうのですね。

手術しても、数字に「なんと10センチもダウン!」というふうな変化はでませんから、”自称・太い”というレベルの足の患者さんには「受けても期待するほど変わらない」と手術をやんわり拒否するクリニックも少なくないようです。

「大金を払って受けても、ほとんどかわらない。それが不満を生む原因になるなら、そもそも受けない方が良い」と考えているドクターもいらっしゃることでしょう。(あるいは脂肪吸引そのものがあまり得意ではなく、完璧になめらかな仕上がりを約束できない、という場合もあるかもしれません)
私はどちらかというとドクターよりの考え方でしたから、受けたいという方にブレーキをかける発言をすることが多かったのですけれど、最近は少し考え方が変わってきました。

「ふくらはぎの脂肪吸引手術を受けた」という事実が、その人の心を軽くするのなら、受けても良いかも、と思うようになったのです。その患者さんにとって大事なことは”何センチ細くなったか、何cc取れたか”ではないのです。

手術にかかる費用や、患者さんの痛みに比例した効果がなくとも、
「念願のふくらはぎ脂肪吸引を受けられた! ちょっぴりしか細くなってないけど、今までとは違うんだ!」となるのなら、それは本人にとっての大きな喜びになります。

”経験と満足度を買う”という風に考えるといいのかもしれませんね。

たとえば北極でオーロラを見たとしても、写真などの記録なしで何一つ形として手元に残るものはありません。
しかし、「俺はこの目でオーロラを見たんだ!」という喜び、記憶、そして経験が残ります。
そこにいたるまでの貯金期間も、楽しい道のりのひとつとなると思うのです。
そして、オーロラを見たことのなかった自分と、自分の目でオーロラを見てきた自分は同じではありません。

もう自分を棚の上に上げて、他人ばかり引きとめません(笑)
変わらなくてもいい、でも受けたい!という人は、リスクも十分に知った上で大人の階段を登ってください。

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